Kult (2nd Ed.) のルール : キャラクター作成、戦闘

(この記事は Kult Second Edition (英語版第二版)をもとに書かれていますので、現在の KULT: Divinity Lost (第四版)のルールとは大きく異なります)

(判定/:
 最初に、Kult における基本的な判定方法を説明します。
 1d20 を振り、能力値 (もしくは技能値) 以下が出れば成功です。目標となる値を下回った分が、判定の達成値となります。判定には、状況によって修正が付きます。
 1d20 で1が出ると達成値にボーナスが付き (自動成功ではない)、20が出ると自動的に失敗したことになります。
 判定の達成値に応じて、成功の度合が決まります。逆に、目標となる値を大きく上回った場合は、失敗の度合が変化する (ひどい失敗をしたことになる) ことがあります。

(キャラクターの作成/:
 まず、「職業 (Archetype)」を選択し、その職業の説明にリストアップされている中から「暗い過去 (Dark Secrets)」を選択します。
 その後、職業・暗い過去の説明にリストアップされているものの中から、「美点/欠点 (Advantages / Disadvantages)」を取得します。これは GURPS のそれとよく似ており、「欠点」を取ることで後の技能取得ポイントが増え、「美点」を取ると逆に技能取得ポイントが減ります。また、「美点」ポイントの合計から、「欠点」ポイントの合計を引いたものが、「メンタルバランス (Mental balance)」の値となります。(メンタルバランスについては後述)
 他には、能力値 (8種類: Agility(素早さ), Strength(筋力), Constitution(耐久力), Comeliness(容姿), Ego(知性/意志力), Charisma(カリスマ), Perception(知覚力), Education(教養)) を決め、技能を取得するだけで、特別な部分はありません。技能の上限が関連能力値の値によって決まることと、「シャドウラン」の Etiquette 技能を分割したような「Man of the world」「Net of contacts」という技能があることくらいが、目につくところです。技能の総数は「クトゥルフの呼び声」より多めです。(使い方のよくわからない技能もあります(^^;))

(暗い過去/:
 Kult における「暗い過去 (Dark Secrets)」は、「深淵」の運命などと違い、分類が大まかで、項目数自体はたいした数ではありません。そのため、キャラクター作成時にプレイヤー (もしくはマスター) が詳細を設定しなければなりません。「暗い過去」の一部 (大半、かも) を示します。

注釈:

  1. ルールブックによると、「人肉食の習慣がある」などだそうです。
  2. ルールブックによると、「患者を傷つけてしまった」から「科学の名のもとに怪しげな実験をして、被験者を殺してしまった」までいろいろ、だそうです(^^;)
  3. ルールブックによると、…あ、いや、例示はやめときます(^^;)

(戦闘ルール/:
 戦闘のイニシアティブは、1d20 を振り、Agility 能力値から求められるボーナスを足し、高かったものが先ということになります。
 1戦闘ターンに各キャラクターは最低2回行動ができますが、Agility 能力値が高ければ、さらに行動回数が増えます。ただし、行動内容によっては、行動を複数回消費しなければならないこともあります。
 戦闘ターンは3つのフェイズに分けられ、各フェイズごとに、イニシアティブロールの高かったものから行動します。2回行動のキャラクターは第3フェイズは何もできません。4回以上の行動回数があるキャラクターは、3つのフェイズのうち任意のフェイズで、残る行動回数を行使できます。(ただし、人間は、1フェイズ中には2回までしか行動できない)

 攻撃は、攻撃側が命中判定を行ない、その達成値が0以上になれば命中です。
 ダメージ値は、命中判定の達成値によって表から導かれる修正値 (-5~+5) と、武器固有の固定値を足して求めます。

 攻撃を受けた側は、ダメージ値を表と照らし合わせ、かすり傷/軽傷/重傷/致命傷という4段階のダメージのどれにあたるか調べ、その傷を記録します。
 このダメージには、繰り上げ制があり、一定数 (この数はキャラクターの Constitution 能力値によって決まる) の同じ段階のダメージが累積すると、一つ上の段階のダメージ1つに繰り上げられることになります。例えば、「4 scratch = 1 light wound」となっているキャラクターは、4つかすり傷を受けると、軽傷を1つ受けた扱いになります。
 当然、様々な傷を数多く受けている場合、かすり傷1つで繰り上げが連続して致命傷に達する場合も考えられるのですが、普通はその前に気絶していると思います(^^;)。

 なお、受けや回避もできますが、判定ルールは単純で、攻撃側の達成値以上の達成値を出せば、防御成功となりダメージを受けません。(行動を消費しない接近戦受けを行うことも可能ですが、ペナルティがつきます)
 防具については、アーマー・セービングスロー値 (対射撃武器、対近接武器/素手、対熱/炎、対放射線の4種が防具ごとに決められています) 以下を出せば「ダメージ無し」、それより大きい値が出ればダメージをそのまま受ける、という非常に単純なルールです。

 表を多用するようですが、1項目×4~5項目の表ばかりなので、最初に参加者全員が手元に表を写すことにしても、あまり面倒ではないでしょう。

武藤 潤 (Jun MUTO)

(ゲーム製作者たちや当ページの筆者は、宗教的な信条を表明したり、読者に信条を伝えようとしているわけではないことを付記しておきたい。これは単に、このロールプレイングゲームの設定にすぎないのである。)