FRPGM のライブラリには Shadowrun 世界の歴史年表 timeline があります。 海外のボランティアによって作られたもので、FASA のサプリメントや小説、 シナリオなどから「出来事」を拾い上げて作られた労作です。FRPGM には、こ れを翻訳したものもあります。 しかし、どちらも200kbを越す、巨大なファイルです(いかに FASA が綿密に 世界を造り上げてきたかということの証でもあるわけですが)。 そこで今回は、まず日本と関連のある部分を抜き出しました。それに現在私た ちが進めている "JIS Project" の柱の部分を埋め込んでゆきました。JIS Project は FASA の timeline と齟齬を来さず、その上で我々日本人が「ニッポン・ソー スブック」を作ろうというものです(FASA は、地域ソースブックを作る際は、 現地の人に原稿を書いてもらう、というのが方針のようです。どんなに頑張っ て調査したところで、やはり現地の人の知識・感覚にはかなわないからでしょ う。これとは逆に、先にドイツで「ジャーマン・ソースブック」が作られ、そ の出来があまりによかったため、FASA が翻訳して出版した、という経緯もあり ます)。最大の目標は FASA の正式サプリメントとして採用されることですが、 不足しがちな日本関係の情報を、世界に向けて発信するというものです(実際、 海外から「日本の**について詳しく教えてくれ」という E-mail は数回もらっ たことがあります)。シャドウラン世界では、ビッグ8と呼ばれる8大メガコー ポのうち5つを占める日系企業、おのずと日本にかんする興味もわいてくるの でしょう。 現在、JIS Project が公開されているのは Internet の WWW 上です。 URL: http://www.sainet.or.jp/~fatcat/ 興味を持たれた方は、是非覗いてみて下さい。 第一部は、叩き台としたものです。さらに突っ込んだ内容が、第二部(次の 「-----」で仕切られているところ)で展開されます。 **  #:政治改革失敗→帝国化  ☆:その他 1989:  日本で三大公社の民営化 1994:  長年の不況にたいし、若手政治家グループ「イッシンカイ」が政治改革を旗印に 決起する。(#) 1995:  イッシンカイの総帥リョウタロウ=ハシワザ、日本国総理大臣に就任。(#)  大蔵省解体案、全公社の民営化をふくむ大胆な法案が提出される。(#)  ハシワザ内閣の支持率最高となる。景気は好況に転ずるとの予測が高まる。(#) 1996:  大蔵省解体案、可決(#)  景気の好転にはやばやとかげがさす。ハシワザ内閣は通貨単位の見直しを発表(#)  世論調査でハシワザ内閣の支持率は大きな下降を見せなかった。(#) 1997:  シアワセ(Shiawase Corporation)が新しい冶金技術プラントを開業。  日本ですべての公社の民営化移行が開始される。(☆)  ハシワザ内閣はデノミネーションを敢行。新しい通貨単位を新円とし、補助貨幣に新 銭を設定した。(#)  ハシワザ政府の1996年度決算が公開される。その直後に、マスコミに本当の決算 内容が暴露された。これによると、予定外の出費と、予算案にない決裁が多数見受けら れた。私的な使い込みはなかったが、強引な政治改革によって政府機能に多くの障害が 発生していることが判明。(#) ハシワザ=スキャンダル  ハシワザ内閣の支持率、年末に暴落する。ハシワザ総理は退陣し、ジロウ=オモトが 総理に就任する。(#)  この年、日本国内の失業率は9%に達した。(#) 1998:  原子力規制委員会、シアワセの要請を却下。シアワセは最高裁判所へ提訴。  在日米軍の撤退計画により、自衛隊の人員および予算が増大する。  オオサカで暴動。装甲自動車で移動中であったにもかかわらず、ハシワザ元総理が 殺される。オモト総理は海外に逃亡して行方不明となった。(#)  約半年の間に5人の総理がたち、あるいは暗殺され、あるいは時間をおかずに退陣 した。日本の国家機能はほとんど麻痺する。(#)  崩壊した国家秩序を旧に復にそうという運動がおこる。オークラ省の再統合など官 僚制度復元案は出たが、議会で議論は空回りするばかりだった。(#)  一方、アジア情勢は日々危機感をつのらせていた。在日米軍および自衛隊の維持拡 大の必然のため、麻痺した国家機能の中でも軍事部門だけはどうにか機能していた。 (#) 1999:  オクツキノミヤ親王、憂国の演説を行ない、官民の団結を訴える。(#)  親王の遊説とネマワシにより、秩序回復の兆しが現われる(#) 2000:  原子力規制委員会・シアワセ裁判の判決。  テラファースト、シアワセ原子炉を襲撃。  日本、通産省により企業各社に個別に保安に関する「行政指導」を行なう。(☆)  親王を狙ったテロの多発。(#)  親王の行為は憲法違反であると一部の市民団体が団結して訴訟を起こす。親王を支持 する右翼のテロリストの間の流血頻発(#) 2001:  シアワセ勝訴。  海外の日本企業拠点の武装化が進む。  日本国内では、テロリスト狩が行なわれ、多くの環境保護運動家が逮捕された(☆)  科学技術庁、エネルギー衛星計画を立案。メガコーポより資金、技術、人材の支援を 受ける。(☆)  親王裁判の第一回の公判。日本全国で左右のテロ頻発。(#)  親王支持派より憲法改正運動がわきおこる。(#)  この年の調査で、日本経済は回復の兆しをあきらかにしめしていた。(#)  改正憲法案がいくつも出される。民主的なものは少なかった。(#) 2002:  日本企業がオーストラリアの観光産業からの撤退を開始。  親王裁判、第二回公判。(#)  オークラ省、再統合。時の総理により官公庁の機能回復宣言がなされる。(#)  改正憲法案、法務省の集めた有識者によってまとまる。(#) 2003:  実験型太陽電池衛星、打ち上げ成功(☆)  議会でようやく憲法改正のための国民投票の審議が終わる。(#) 2004:  国民投票の予定が決定する。(#)  憲法改正後の勢力地図について、省庁間で暗闘が続く。(#)  親王裁判最初の判決が出る。判決は有罪。ただちに上告される。(#)  親王裁判の裁判長、自宅で惨殺される。(#) 2005: (ニューヨークで大地震。国連と株式取引所が移転)  日本の最大のコフィン・ホテルの部屋数が350となる。@  この年の調査で、日本経済はほとんど回復したことが報告されている。(#)  トウキョウ証券取引所、ニューヨークのそれをこえる権威となる。(☆)  皇室アルバム、リニューアルしてゴールデンタイムに(#)  国民投票。憲法改正はぎりぎりの支持率をもって可決された。帝国宣言が起草され る。(#)  親王裁判の判決下る。勝訴。その強引な判決文に非難が集中する。(#) 2006:  日本は新たに日本帝国(Japanese Imperial States)と名乗り、列強としての地位 を主張した。そして地表へのマイクロ波ビーム伝送方式を用いた世界初の太陽発電 衛星群を配備した。孤立した地域に対して比較的低コストで配給出来る電力を手に 入れた事で、日本は第3世界への影響力を強め始めた。@  テキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments)社はミロヤマ・エレクトリック (Miroyama Electric)社を自社特許侵害で告訴。しかし日本の法体系では実際に TI が最高裁での強制力を得る為には、総てのレベル{訳注:つまり最低3回は控訴す る訳で、その総ての裁判を勝ち抜かねばならない訳です}での民事訴訟を勝ち抜か なければならない。不意の決定により、ミロヤマの有罪が確定した。ミロヤマのマ ネジメント層に対して社の総ての資産を TI に明け渡すよう判決が下った。彼らは この指示に従った後切腹した。@ 2007; (米国最高裁判所は議会のワシントンDC更送決議を棄却) (☆米のトップはこれでもめたと思われる。日本帝国がアジアでの発言権を強める   動きを行なうには絶好のスキか) 2008: (テキサスで市民軍が創設) (☆帝国軍もまた、拡大したのではなかろうか? 徴兵制の復活程度は検討された   だろうか?) 2009 (ローンイーグル事件) (☆北海道でアイヌの民族意識が刺激されたかもしれない) 2010:  この年、日本および沖縄の在日米軍が大規模な縮小を行う。これによってフィリ ピン以西の米軍のプレゼンスが低下した。@ (☆この縮小は、1:米国が自発的に申し出た/国内に兵力集中の必要を感じはじ   めたのか? 2:帝国によって穏便に追い出された のどちらであろう?   いずれにしろ、米軍の設備は帝国軍のものになったと考えて間違いはないだろ   う)  日本式のコフィン・ホテルが北米に初オープンする。@ (Vitas大流行 ) 2011:  12月24日。弾丸列車の乗客数百人によって、富士山上空を飛行するドラゴン 「リュウミョウ」が初めて目撃される。@ (#東京に直下型地震。地下交通網が麻痺した) (#奇病としてエルフ、ドワーフの新生児を強制隔離した) 2012: (#復興も十分でない東京でVitas流行。政府とミカドはキョウトに移転) (#自治省、厚生省、大蔵省、通産省の残存じんざいにより非営利組織「首都地震   災害対策連絡委員会」設立) (#自衛隊、新潟より2個連隊トウキョウに派遣される)  企業間の紛争により失われる利益は多大なものとなっていた。やがてケルバ・コー ポレーション(Keruba)(後にレンラク・コンピュータ・システムに吸収)、BMW 、 アーレス工業(Ares Industries)、シアワセ・コーポレーション、ミツハマ・コン ピュータ・テクノロジーズ、ORO(後のアズテクノロジー)、JRJ(後にフチ電子工 業に吸収)らが協力して総ての企業の利益の代議組織として企業評議会 (Inter-Corporate Council:ICC)を設置した。@ (#縮小した米軍より流出した武器により、自衛隊では凶悪犯罪を阻止できなくなる)  著名なコンピュータ技術のエキスパートデリック・ロマンシュ(Derrick Rommanche)がレンラクと結んでいた契約を、ANZAC が買い取る。 (#遅々として進まない復旧に業をにやした経団連は、大企業を中心とする  「帝都補完委員会」を構築。当時既に多国籍企業化していた各企業の潤沢  な資金力を背景に、被対委が発表する復旧計画をJV(=Joint Venture:複数企  業による合同作業を1単位として土木工事などを請け負う形式)の形で引き  受け、構成、実施していった。この時点でかかった費用は国の「借金」とい  う形で引き受けられた。 (#皇居に異常な樹木な繁茂が観察される。これはただちに皇居中央公園と名  付けられ、立ち入り禁止区域となった) (☆#企業はトウキョウの治安をどうやって回復したのだろう? 傭兵部隊に   近かった初期の警備部隊を派遣したのだろうか? それとも招来の企業セ   キュリティの原形になるような部隊を創設して軍隊ではなく警備部隊とし   てのノウハウを蓄積したのだろうか?) (新世代の交通網の夜明け? HSCT/円滑な交通) (企業の進出は福祉の分野にまでおよんだ) 2013 (#帝補委は自己資金の枯渇を宣言。「国家が我々に対する負債を清算しない限  りこれ以上の復旧処理は不可能である」と発表した) (#キョウト政府、「再開発地域の警察権と行政権の一部、および内部での通信、   商行為に関する許認可権の一部を2年の期限つきで帝補委に委譲する」と発表) (#帝国軍2個師団が関東に配備される。通称関東軍。) (#地震で壊れたままであったトウキョウの寺社が異常繁茂の森林に覆われる。地  震から復興したばかりの一部の地下鉄/地下街が木の根により被害を受け、再度  閉鎖される) (コンバットバイカー、出現する) (ケルバ・コーポレーションと ORO 社が限定的企業戦争に突入。企業評議会はこ  れを仲裁するにたる戦力を持たないことが判明) (アイルランドのSAS、IRAによる元素精霊を用いた襲撃などによって壊滅。英国  は武力解決を断念) (#企業警備隊より多数の人材が関東軍に出向する) 2014 (☆#このあたりで、帝国と企業の関係が確定されはじめるだろう。ミカドが偉大  な力を示し、企業と対等かそれ以上の立場となるのか、あるいは帝国は企業のか  いらいにあまんじるのか) (ハウリングコヨーテ、立ち上がる) (オーストラリア奥地にマナ嵐発生) (☆北海道のアイヌ民族運動が再び刺激されただろう) 2015 (#トウキョウ都知事に帝補委がバックアップしたタダヒコ・イケガヤが就任。  現時点での国家への管理機能の移譲は時期尚早であると発表。キョウト政府は  さらに4年の期間延長を認めた) (☆#この体制がずっと続くわけだが、その結果ケイヨウスプロールを中心として、   ヤクザの勢力が伸びたのかもしれない) (#在日米軍、完全に撤退。その設備と装備は帝国政府に譲渡売却され、帝国軍に下  賜された。この結果、帝国軍は海外へ十分な兵を派遣する基盤を獲得した) (☆#天皇誕生日、メガコーポの大物がキョウト御所にせいぞろいして祝う、といっ   たイベントがありそうだ) (オーストレイシア成立) (香港独立) (☆帝国は香港独立に関連して何か動きをしめさなかっただろうか?) (アイルランド情勢急展開) (ハンガリー。緑の党が政権掌握すれど、国運は傾きっぱなし) (アイルランドに覚醒森林?) 2016 (テロの大流行:犠牲者はロシア大統領、英国首相、イスラエル公使、米国大統領         北海油田より原油流出。スコットランド沿岸にToxicZone) (合衆国、ネイティブアメリカン根絶へと動きだす) (アレス、NASAを買収) (☆帝国政府はアイヌ民族運動を本格的に弾圧したかもしれない) -----  この年表のツボは以下の点です。  1:民主政治の限界と進取の気性にとむ皇族の政治進出→帝国化  2:国策による北海道共和国の成立と、沖縄民族運動の抑圧。    「まつろわぬ民(=アイヌ、サンカ、それに同化したはずなのに民族意識を    持つかも知れぬ列島先住民族/例:ハヤト)」を穏便に分離移住させるため    に十分に広い北海道と、南シナ海、東南アジア、太平洋の基地として重要な    沖縄。  3:2011年のトウキョウ地震(マサカドの覚醒)と、霊的防衛のためのキョ    ウト遷都  4:3に関連して、唯一企業連合の支配にあるトウキョウとその元皇居を覆う小    規模な覚醒森林。 ……ランの舞台にも使えるトウキョウ。    〜ドナッツスラムも使えるかも ** 1990年代中:  政治改革が進行し、公社の民営化などが行なわれたが、結果は無残な失敗に終わっ た。 1990年代後半:  在日米軍の暫時撤退計画が進む。日本は自衛力の強化を余儀なくされる。 1997:  デノミネーション敢行。  新しい通貨単位を新円とし、補助貨幣に新銭を設定した。  治安が悪化し、日本でも暴動が起こり、テロが横行する。 1998  この年、日本の国家機能は麻痺に近い状態になった。 1999:  皇族の一人が事態の収拾に立ち上がり物議をかもす。この論争はのちにテロの応酬に まで拡大した。 2000: ( 原子力規制委員会・シアワセ裁判の判決。   テラファースト、シアワセ原子炉を襲撃。)  諏訪湖の御神渡り、がこの年より毎年見られるようになる。後にこれは「覚醒」の予 兆の一つと判明した。 2001: (シアワセ勝訴。  海外の日本企業拠点の武装化が進む)  日本国内では、テロリスト狩が行なわれ、多くの環境保護運動家が逮捕された(☆)  科学技術庁、エネルギー衛星計画を立案。メガコーポより資金、技術、人材の支援を 受ける。(☆)  憲法改正運動がわきおこる。  この年の調査で、日本経済は回復の兆しをあきらかにしめしていた。  改正憲法案がいくつも出される。民主的なものは少なかった。 2002: (日本企業がオーストラリアの観光産業からの撤退を開始)  政治改革の失敗により混乱した政府組織の再編成が進む。  改正憲法案、法務省の集めた有識者によってまとまる。 2003:  実験型太陽電池衛星、打ち上げ成功  議会でようやく憲法改正のための国民投票の審議が終わる。 2004:  皇族裁判最初の判決が出る。判決は有罪。ただちに上告される。  皇太子裁判の裁判長、自宅で惨殺される。 2005: (ニューヨークで大地震。国連と株式取引所が移転)  この年の調査で、日本経済はほとんど回復したことが報告されている。  国民投票。憲法改正はぎりぎりの支持率をもって可決された。帝国宣言が起草され る。  時のミカド、引退を表明。皇太子がくりあがりミカドの地位に。  皇族裁判の判決下る。勝訴。その強引な判決文に非難が集中するが、世論の中では かぼそい声に終わった。 2006: (日本は新たに日本帝国(Japanese Imperial States)と名乗り、列強としての地位 を主張した。そして地表へのマイクロ波ビーム伝送方式を用いた世界初の太陽発電 衛星群を配備した。孤立した地域に対して比較的低コストで配給出来る電力を手に 入れた事で、日本は第3世界への影響力を強め始めた。)  この豊富なエネルギー源の確保により、政府は莫大な歳入と企業への影響力を獲 得した。 2007; (米国最高裁判所は議会のワシントンDC更送決議を棄却)  この混乱の間に、帝国は温和な外交方針と豊富な電力供給を武器に国際社会での立場 を強化した。 2008:  帝国軍が整備され、実戦レベルにまで達する。 2009 (ローンイーグル事件)  日本ではこの事件を一見静観しているように見えた。 2010: (この年、日本および沖縄の在日米軍が大規模な縮小を行う。これによってフィリピン 以西の米軍のプレゼンスが低下した)  撤収した米軍の役割の一部を帝国軍が担う。 (Vitas大流行 )  コウセイショウの対応が遅れ、日本でも多数の犠牲者がでた。  アイヌおよび沖縄で「民族運動」が顕著になる。文化面に重点をおくか、政治面に重 点を置くかの違いが政府の対応の違いをうみ、沖縄ではテロも発生した。 2011: (12月24日。弾丸列車の乗客数百人によって、富士山上空を飛行するドラゴン 「リュウミョウ」が初めて目撃される)  12月27日、東京に直下型地震。地下交通網が麻痺した。  奇病としてエルフ、ドワーフの新生児を強制隔離した。 2012:  復興も十分でない東京でVitas流行。政府とミカドはキョウトに移転するが、まる で事前に準備してあったかのように手際がよかった。  自治省、厚生省、大蔵省、通産省の残存人材により非営利組織「首都地震災害対  策連絡委員会」設立  遅々として進まない復旧に業をにやした経団連は、大企業を中心とする「帝都補 完委員会」を構築。当時既に多国籍企業化していた各企業の潤沢な資金力を背景に、 被対委が発表する復旧計画をJV(=Joint Venture:複数企業による合同作業を1単位と して土木工事などを請け負う形式)の形で引き受け、構成、実施していった。この 時点でかかった費用は国の「借金」という形で引き受けられたが、豊富なエネルギー を掌中にした帝国政府にはさほどの痛手ではないと思われた。  皇居に異常な樹木な繁茂が観察される。これはただちに皇居中央公園と名付けら れ、立ち入り禁止区域となった。  新幹線にかわり、HSCTの全国普及計画がJR各社の共同によって発表される。 2013  帝補委は自己資金の枯渇を宣言。「国家が我々に対する負債を清算しない限りこ れ以上の復旧処理は不可能である」と発表した。  キョウト政府、「再開発地域の警察権と行政権の一部、および内部での通信、商 行為に関する許認可権の一部を2年の期限つきで帝補委に委譲する」と発表。これ らは何らかのシナリオが存在したと思われるほど円滑に進んだ。  帝国軍2個師団が関東に配備される。通称関東軍。  北海道企画庁および北海道の要請を受け、政府は北海道への内地人の出入りにつ いて多少の制限をもうける。理由は北海道に謎の風土病が発生したこと。この「病 気」は一部の和人には微熱程度ですむが、そうでない和人には心身ともにひどい衰 弱と最悪の場合は死をもたらすと報じられた。 2014 (ハウリングコヨーテ、立ち上がる) (オーストラリア奥地にマナ嵐発生)  北海道の風土病がVitasのような伝染病でないと発表される。北海道と内地の間で 人口の移動が始まる。まだ解除されていない制限がこれを促進した。これらの調整 は北海道庁に委ねられ、大幅な権限があたえられた。 2015  トウキョウ都知事に帝補委がバックアップしたタダヒコ・イケガヤが就任。現時 点での国家への管理機能の移譲は時期尚早であると発表。キョウト政府はさらに4 年の期間延長を認めた。 (オーストレイシア成立) (香港独立)  帝国はこれを支持した。 (アイルランド情勢急展開) (ハンガリー。緑の党が政権掌握すれど、国運は傾きっぱなし) (アイルランドに覚醒森林?) 2016 (テロの大流行:犠牲者はロシア大統領、英国首相、イスラエル公使、米国大統領         北海油田より原油流出。スコットランド沿岸にToxicZone) (合衆国、ネイティブアメリカン根絶へと動きだす) (アレス、NASAを買収) 2017 (グレートゴーストダンス)  アイヌの活動家代表と北海道知事、それに政府の間で魔法的な力の存在について温和 に話し合いが進む。 (ネバダでコレラの大流行) (ミネソタに覚醒森林) (企業協会と米政府によって新しい公共ネットワークが開設) 2018: (カナダ、米、NANと和平交渉を開始する) (デンバー条約) (オーストレイシア、アボリジニを弾圧。連行してマナ嵐地域に強制居住)  北海道は暫定的に大きな自治権をもつ地域とされる。以後、北海道共和国と呼ば れ、アイヌ、和人の代表によって運営される。帝国との人間、物資の流通は旧来と 同じままに置かれる。この結果、帝国内地と北海道の間で自発的ながらかなり大き な人口移動があった。  政府は隔離してあったエルフ、ドワーフを「静養」と称して北海道共和国に移管 した。  一方、同様の自治を求めていた沖縄では、機動隊の盾と警棒がその回答であった。 この時、魔法的な手段に魔法的な手段での応酬があったと言われる。 2019 (ギャングの暴力、クローズアップ)  トウキョウは帝国で一番治安の悪い都市となる。北海道共和国の成立によって発 生した人口移動により、行き場のない一部が流入した結果、多数の愚連隊が発生し た。これはほどなくヤクザによって淘汰された。  スノウ=スター設立。北海道共和国とロシアの間で最初の話し合いがもたれる。  帝国では「ヤマト思想」が形を現し始める。 2020 (テヘラン壊滅。メタヒューマン撲滅をうたうイスラームをグレートドラゴンのアデ  ンが倒した)  キョウト大学文学部に「オンミョウ・調伏学科」が設立される。 2021 (UGEの年 オーク、トロール出現) (オーク/トロールの強制収容)  帝国政府は新種の遺伝病であろうと見解を示し、オーク、トロールたちを隔離保護 した。だが、それまでに多数が自殺、あるいは暴力によって命を失った。 2022: (メタヒューマンへの暴動頻発の年)  オーク、トロールとなった者は自決するべきだという意見が横行し、収容施設にた いして投石から毒ガステロまで行なわれる。政府は北海道共和国に彼らの移管を打診 したが、帝国国内ほどでないにしろ、やはり混乱している北海道共和国はこれを拒否 した。 (パプアニューギニア、インドネシア、オーストレイシア、戦争に突入) (VITAS再流行)  日本国内でオオナムチのトーテムが現われる。 (ロシアで暴動による死者多数) 2023: (シアトルで警察スト) (企業の領土、米最高裁によって認められる)  日本では、企業の「領土」はひどく制限された形で認められた。 2024: (ローマ法皇、メタヒューマンと精霊を容認する宣言を出す)  帝国、メタヒューマンの隔離収容を打ち切り、彼らを不法滞在の無国籍外国人として 決められた居住区に住まわせる。 2025 (スポーツ界にサイバー選手) (魔法学部出現)  トウキョウ大学に魔法学部が設立される。 2026 (アラモス20000によるドワーフ一家虐殺事件と報復)  メタヒューマン地区のギャングと極右主義者の間で起こる血の抗争が報道される。 (世界初のサイバー端末が開発される) 2027 (核融合、実用化) (スポーツ界にサイバー選手) 2028: 2029: (ソニー・サイバーシステムズ社(Sony Cybersystems)、フチ電子工業(Fuchi Industrial Electronics)、RCA-Unisys 社がプロトタイプのサイバー端末を開発。 この端末は使用者が自身の中枢神経系を介して世界中のデータネットワークへアク セスすることを可能にする機能を持っていた。だがこの端末もサイズ的には巨大で、 ユーザーは感覚遮断タンクの中に入る必要があった。) (クラッシュ29)  非能率的なシステム実態が幸いして、帝国ではさほど致命的な被害はなかった。  しかし、カローシは増大した。 2030: (ヨーロッパ戦争(クラッシュ29で混乱するロシアの中で独立を求める内乱が勃  発、アジア、ドイツ/ポーランドといったヨーロッパを巻き込む長期紛争となっ  た)  スノウスター、極東ロシアおよびオホーツク海に大きな利権を得る。 (UCAS成立) (オーストラリアにはランナーがもういたらしい) (ニューオリンズ市内での売春行為が合法化) (企業法廷の指示のもと、全ての大手企業はズーリック・オービタル協定にサイン) 2031: (エコーミラージュにより、ウィルスの掃討は終了) (ロシア、ヨーロッパに侵略戦争を開始し、NATOと交戦) 2032: (ヨーロッパの戦争は泥沼化。英国参戦) (世界中が混乱、オリンピックが中止となる)  帝国は混乱する諸国へのエネルギー供給契約上のトラブルに悩まされる。その結 果、国ごとの契約で企業にエネルギー供給事業を依託する。 (アメリカ南部独立のUCAS脱退の動き) 2033: (ヨーロッパの戦争、おおむね終結) (アズトランがメキシコの乗っ取りを開始する)  保険組合改変。なんらかの保険組合に所属していないと公共医療サービスが受け られなくなる。  日本帝国でSinに該当するものが施行される。 2034 (アマゾニア成立) (CAS成立) 2035: (UCASの全戦力は北米に撤退) (アズトラン、テキサス侵攻) (テキサス共和国成立→CASに再帰属) (保険戦争および、暴露による終結) 2036: 2037: (カリフォルニア、独立運動/UCASより除名される) (アズトラン、サンディエゴに進撃) (トリークル知事は UCAS に救援を求めるがこれに失敗、半ば公然と日本帝国との 交渉を開始。アズトランやティル・タンジェルがカリフォルニアを支配すれば日本 帝国の利権が危機にさらされるだろう、と発言した) (日本帝国は直ちにカリフォルニア独立州を主権国家として承認) (2月7日。日本帝国海軍は2つの軽装師団を空路でサンフランシスコ国際空港お よびアラメダ(Alameda)海軍航空基地へ配備) (ロフワイア、ゼーダークルップを掌握) (ティル・タンジェルがカリフォルニア自由州に対し和平を申し出る。両国間での 貿易にを餌として、同国にこれを飲ませようとする) 2038: (ハワイ州が UCAS から独立、立憲君主制国家となる。日本帝国が支援を行ってい たが、ハワイ女王マラマの手腕により日本の影響力は低く抑えられた) 2039: (激怒の夜) (メタヒューマンへのテロ、ふきあれる)  メタヒューマン地区への焼きうち、爆弾および毒ガステロが頻発する。はなはだ しくは、保護のために出動した警官隊が暴徒制圧と称してひとしきり銃を撃ち込ん だ後に全住民を逮捕、収容した事件もおこった。一部のメタヒューマンはトウキョ ウの放棄された地下交通網や、過疎のため住む者のいなくなった山奥へと逃げ込ん だ。 (オーストレイシアでメタヒューマンと同様のアジア人差別が行なわれる) (宇宙友愛方程式、発表されるが理解されなかった) (ボクシングにスーパーヘビー級) 2040: (ウェスタン・ドラゴンのゲィスワイン(Geyswain)がリンカーン・インヴェストメ ント社(Lochlann Investments)を設立) 2041: (緑の党、保守党にかわって英国議会を席巻) (ポリクラブがヨーロッパに現れる) (ヤマテツ社(Yamatetsu corporation)が企業法廷(Corporate Court)の議席、およ びズーリック・オービタル・ゲマインシャフト銀行(Zurich-Oribital Gemeischaft Bank)自体を手に入れようと目論む。アーレス重工、フチ電子工業、ミツハマ・コ ンピュータ・テクノロジーズ社はこれに反発。世界規模で企業間の衝突が起こる)  通産省主導で企業懇親会が数度開かれるが、効果は薄かった。武装闘争は国内 では発生しなかったが、買収などによる汚職が頻発した。 2042: (ヨーロッパ戦争(Euro-wars)が公式には終結) (ついにヤマテツ社が企業法廷およびズーリック・オービタル・ゲマインシャフト 銀行のメンバーとして承認される。意見の対立による戦闘が終結する。) (Pアデプトがプロスポーツ選手として容認) (中央アフリカへの廃棄物投棄による汚染が露見する) (UCASとアズトランにシアトルでの飛行船撃墜事件をめぐって緊張が発生) 2043: (ユニバーサル・ブラザーフッド 登場) (ワールド・オールスター野球シリーズのエギジビションマッチ、ヨミウリ・ジャ イアンツ(日本で最も威厳のある野球チーム)対 L.A.ドジャースのゲームに際し、 ヨミウリ・ニューズネットは相手のチームにハリー”鉄顎”バートレットがおり、 彼はカワルヒト(変わる人、鬼化した人)であるとして非難する記事を載せた。試 合は L.A.ドジャースの勝利に終わった。) 2044: (カリフォルニア州サンフランシスコ。同市はほぼ完全に日本企業の支配下とな  る) (ヴァンパイア戦争) (切り裂き魔事件) 2045: (国連は、戦闘目的の軍用ロボットの製造、生産は国際法に違反するとの結論を下 した) (ユニバーサル・ブラザーフッド(Universal Brotherhood)本部がシアトルに開設さ れる) 2046: (日本。ミツハマ・コンピュータ・テクノロジ社社長ノグリ・オワル(Noguri Owaru) が厳重なセキュリティを誇る集合住宅から誘拐される。死体は千葉で発見された。 個人的な怨恨によるものと見られている。MCT はヤクザとの繋がりについての噂を 否定。) 2047: 2048: 2049: (シアワセ社の大株主の一人、リョーイ・シアワセ(Ryoi Shiawase)が殺害される。 噂ではソーコ・シアワセ(Soko Shiawase)が画策したサダト・シアワセ(Sadato Shiawase)暗殺計画が頓挫した際に殺されたといわれている。) 2050: (ユニバーサル・ブラザーフッドが国際的な急成長を遂げる) (サイバー、およびバイオ技術の大進歩) 2051: (カリフォルニア自由州(CFS)。サンフランシスコ・ベイエリアをマグニチュード5.5 の地震が襲う) 2052: (東京。2056のオリンピック開催権を日本が獲得) (日本政府は以下のコメントを発表。ヤマトの理想に則り2056年の東京オリン ピックでは、メタヒューマンとヒューマンとの競技は認められない。メタヒューマ ンには別に「特別公開競技」の場を用意する。ティル・タンジェルおよびティル・ ナ・ノーグはこの発表に激怒、国連へ提訴する) (日本、千葉。千葉バーチャル証券取引所が取り引き最中にクラッシュ。これによ りヤマテツの乗っ取り計画が頓挫。) 2053: (日本。兵士が何の丸腰のメタヒューマンの集団に発砲。7名が死亡) (日本政府は、メタヒューマンに発砲した件で調査を受けていた兵士2名に対し起 訴猶予を発表。これを受けて暴動が発生、鎮圧のため兵士が派遣された。発表され ただけでも9名が死亡、38名が負傷した) (日本。アズテク系の遺伝子技術研究所が爆破される。噂によると、同研究所がミ ツハマに買収されるのを回避する為、アズテクは自らこの研究所を爆破したと言わ れている) 2054: (東京行きセミバリスティック便が成田空港直前で墜落。乗客109人および乗務 員10人は全員死亡。乗客の中にはハイスター社(Highstar Corporation)代表取締 役社長のマーサ・S・グリムス(Martha S. Grimes)および彼女のセキュリティ17 人が含まれていた) (日本、横浜。9つの工業施設で原因不明の火災が発生。焼失したうち6つまでが アーレス重工社(Ares Macrotechnology)の施設であった。目撃者の証言によると、 火災が発生する直前に同地区をドラゴンが飛んでいた、とのことである。)