Lone-Star Sourcebook Neglectful Prospect(LSSのなげやりな眺望)では、ローンスター・ソースブック(以下、LSS)のいー加減な解析を行って見ようかと思います。
まぁ、LSSの内容を知らないからと言ってシャドウランのプレイに困ることは無いでしょうから、解析もあんまし突っ込んだ事は書きません。
さて、初回ですから、軽く。そもそも、ローンスターとは何か?から話を始めましょう。英語版からプレイしている人にはお馴染みでしょうが、基本ルールでローンスター(以下LS)に言及してある部分は極く少ないので、知らない人もいるかと。
基本ルール(日本語)のp292とp217を見て下さい。p292ではシアトルの治安を請け負う民間企業の名としてLSが挙げられていますね。LSは正式名称をローン・スター・セキュリティ・サーヴィス株式会社という、業界最大手のセキュリティ会社です。そして、p217には、コンタクトとして警官が載っていますね。彼の所属はLSです。
平たく言うと、ロボコップのデトロイト警察ですか、あんな感じで都市の警察機構を都市と契約を結んだ企業が請け負うわけです。
シアトルやその他の都市ではLSが独占契約を結んでいるので、事実上、警察とLSは同義語です。だからと言って、LSは我々が日常接している(そらまぁ、私にとってはどっちかっつーと接するのは非日常の部類に入りますが)警察だと思うと少々誤解していることになるでしょう。
LSの仕事は警察だけではありません。会社名が示すように、ごく一般的な警備関係の仕事も行います。むしろ、LSの収入源としては都市との契約よりもメジャーなコーポとの契約の方が重要な位です。しかも、民間企業ですから当然、ライバルはいます。UCASの中の元カナダ及び、ケベックでは大部分の都市がLSと何らかの契約を交わしていますが、UCAS全体で見ると62%がLS、34%が業界第二位の警備会社-アーレス重工の子会社としても有名な-のナイト・エラント、です。その他の4%は、何らかのマイナーでローカルな会社によっています。
つまり、LSが何か問題を起こせば契約を横取りしようと狙っている輩がいるわけです。
勿論、LSの歴史の黎明期には我々が接する「警察」がライバルでした。都市が警察を自らの手から捨て、LSとの契約に踏み切ろうとした時には当然の事ながら、かなりの反発があり、警察官達のストが巻き起こりました。
しかし、より経済的にサーヴィスを提供する者がいれば、人々はそちらに流れるのがこの社会の原則です。警察サーヴィスだって例外ではありません。
人々は、国際電話にKDDを使うのと同じように、街の治安をLSに任せるようになったのです。
ストを起こした警官達がどうなったか?彼らは単に切り捨てられただけです。
Lone-Star Sourcebook Neglectful Prospect(LSSのなげやりな眺望)では、ローンスター・ソースブック(以下、LSS)のいー加減な解析を行います。
---------------今回はLSの構造について。
LSは企業として、かなり複雑な権力階層のピラミッドを構成しています。頂点に立つのはオースチンの本社のCEO(最高責任者)であるテオドア・W・D・ウィンスロウですが、彼が働くのは年に15週間ほどです。その他の期間は緊急事態がテレコムで彼の元に舞い込まない限りはインドネシアの個人所有の島で暮らしています。彼は3代目のLSのCEOです。
実際の業務の大部分はCEOの下に位置する9人からなる代表評議会がこなします。その下には各地区の責任者(ここで言う地区とはUCAS等のクラスの大きなものです)が、地区毎に一人。その責任者に山のようなデータを要約して報告する事務官が地区毎に数人存在します。
以上、CEO、評議会(executive advisory council)、地区責任者(divisonal executive chairperson)、事務官(divisional convenor)がLSの中枢、オースチン本社を構成する重役達です。なお、訳語はひっじょーにE加減です。
評議会は諮問評議会とか訳すべきですし、事務官わ・・・わからんなぁ。(convenorはイギリス英語で、「conventionを召集する者」程度の意味です)
都市単位で見ると、各都市に一人、最高責任者がいます。いわゆる警察本部長です。そして、その都市の各署に一人ずつ責任者がいて、本部長補佐と呼ばれます。
各署において、それぞれの部署(係)を統括する人を警視正と呼びます。部署とは、要するに、パトロールとか殺人とか、まぁ、そう言った部門です。パトロール等の大人数を擁する部署では二人以上の警視正が存在します。
以上、警察本部長(chief of LS police)、本部長補佐(deputy chief)、警視正(divisonal chief)までが、各都市における管理職の階級です。
同じく訳語はE加減です。
我々が想像する警察に最も近くなるのは現場で働く人々です。このレベルでの最高責任者は分署長です。その下は、例えば「捜査一課」には、捜査部の長と捜査一課の長がそれぞれ存在します。まぁ、警部と警部補とでも呼びましょうか。そして、命令系統の中で、命令を発する側としては最も下に位置するのが巡査部長です。
以上、分署長(captain)、警部(chief lieutenant)、警部補(lieutenant)、巡査部長(sergent)が現場における管理職です。
--------------- さて、やたら役職が多くて困ってしまいますが、その責任の大半は前(2代目)CEOであるジェームズ・ウィルソンによります。
また、上に挙げた役職も都市や地域によって多少の差があり、一般的な物ではありません。
所で、現実の我々の世界の警察も州や都市によって役職が違うことがままあるそうです。手元の英和辞典から役職名と一般的な訳語の一例を引用します。
chief of police 警察本部長(chief of LS police) | assistant chief of police 警察副本部長(該当するLSの役職は無し) | deputy chief 警察本部長補佐(deputy chief) | inspector 警視正(divisonal chief?) | deputy inspector 警視(該当無し。captain?) | captain 警部(captain or chief lieutenant) | lieutenant 警部補(lieutenant) | sergeant 巡査部長(sergent)
---------------
LSNP:Lone-Star Sourcebook Neglectful Prospect(LSSのなげやりな眺望)では、ローンスター・ソースブック(以下、LSS)のいー加減な解析を行います。
---------------
今回はLSの歴史について。
LSの歴史なんぞ実際のプレイではほとんど役に立たないかと思われますが、次回から役に立つ内容になるので、今回まではちょっと我慢して下さいね。
最初に一つ。LSは信じられないくらいに急速に大きくなった会社だと言うことを念頭に置いて下さい。LSが幾つかの小さなセキュリティ会社を合併してスタートして以来、現在まで30年も経過していないのです。でわ、本題。
LSを創設したのはヒューストンでも名うての実業家、クレイ・ウィルソンです。
ちと、脱線してウィルソンの人柄について説明しておきますと、一言で言うなら「ちゃきちゃきの南部人」です。信念に向かって頑なに突き進む行動の人。
100年早く生まれていればテキサスの石油競争で間違いなく石油王になっていたであろうし、財界よりもレンジャー部隊の方が似合っているこの人の風貌はこんな風に評されています。
「手にカトラスを持たせ、ベルトにフリントロック・ピストルを挟もう。それを帆船に乗せてそこにジョリー・ロジャー(海賊のあの旗の事)を翻そう。そうすると大分、違和感が消えるんじゃないかな?」
さて、本題に戻りまして。ウィルソンはヒューストンでもかなり裕福な家庭に生まれ、育ちました。
子供の頃から商才に恵まれており、南テキサス大学で経営を学び中退したのが最終学歴で、その後10年は様々な職を転々とします。
その10年間に比較的まとまった財産と多方面に及ぶアンテナとネットワークを作りますが、その財産の影にはアズテクの影がよぎります。
そして、2014年から2016年の間に株で大規模な仕手を仕掛け、彼の財産は数百万の単位から一気に数十億へと跳ね上がります。ここでインサイダー取引が明るみに出るもご愛敬と言ったところでしょうか。かえって「切れる資産家」の評価を勝ち得ただけでなく、上手く尻尾を切り離し、逮捕を免れます。
2016年、ヒューストンからオースチンに本拠を移した彼は新たなビジネス・チャンスを模索します。しかし、彼には既に可能性が見えていました。2011年に”吼えるコヨーテ”ダニエル・コールマンが再教育センターを脱走してから、5年。政府が悪名高い「インディアン問題の解決策」を可決した直後-勿論、それが一般に知れ渡るよりは前-にオースチンに移ったウィルソンは、セキュリティに十分な市場が存在する、と判断したのです。
彼が最初に行ったのはいくつかの警備会社の買収です。その中にはマトリクス・セキュリティの会社もありましたが、LSは最初からグリッド・セクをその部門に持っていたわけではありません。自分の企業秘密を守るために買収しただけです。ま、とりあえず、2017年7月22日にLSが創設されます。
今でこそ、セキュリティプログラムの開発などで、グリッド・セクはLSの中ではドル箱のような部門ですが、ウィルソンのコンピューターに対する認識の低さは29年のクラッシュをLSがほぼ無事に乗り切った事でも明らかです。
そう、LSは重要なデータをマトリクスには配備していませんでした。これはウィルソンの先見の明と言うよりは、コンピューターに対する認識不足の産物でした。それも、かなりのタナボタです。
2020年に最初の都市との警察サーヴィスとの契約を行って以来、2020年代には徐々にその数を増やしていったLSですが、2029年のクラッシュの時に、その契約数は2倍になっています。
さて、現在に至るまでにLSは順調に成長してきているわけですが、最後に一つ、LSの転換点を解説しておきましょう。2035年の事です。
何もかも順調だったLSの成長に一筋の翳りが落ちます。それは、多分にウィルソンの個人的な資質によるものでした。LSにとって最初の契約都市であったコーパス・クリスチがLSとの契約をキャンセルしたのです。この象徴的な出来事は既にウィルソンの感性が時代遅れになっていることを示すものでした。大きな要因としては人種差別です。ウィルソンは生粋の南部人であり、彼のメタヒューマンに対する考え方はネアンデルタール人のそれと大差ありませんでした。その体質は方々で不評を買い、コーパス・クリスチ以外の都市も多くはLSとの契約に不満を感じている事がその後の調査で明らかになりました。
2036年4月8日。ウィルソンは株主総会でCEO退陣を要求されます。ウィルソンが負けた原因は二つ。一つは、エクストラ・テリトリアリティ(企業敷地内でのみ効力を発揮する、国が定めるのとは別の法律。メガコーポのワガママを押し通すための物です)獲得のために、あらゆる通常の手順を飛ばしてLSをメガコーポにするために、自分の持ち株を売りに出していたために一人で過半数の株を押さえることが出来なかった事。もう一つは、弟のジェイムズ・ウィルソンが裏切った事、です。ジェイムズについては前の書き込みでLSの機構を複雑にした人間としてちょこっとだけ紹介しましたが、彼がクレイ・ウィルソンの後を継ぎ、2代目CEOとなりました。ジェイムズは2051年まで、その株主総会でクレイに反旗を翻した重役達と共にCEOとして働いた後、引退しています。
--------------
次回からはいよいよ、路上のLS達について解説していきましょう。
LSNP:Lone-Star Sourcebook Neglectful Prospect(LSSのなげやりな眺望)では、ローンスター・ソースブック(以下、LSS)のいー加減な解析を行います。
---------------
今回からLSの治安維持部門です。今回は、巡査部について。
2053年度版のハウザー生命調査によると、治安維持部門で最も危険の高い職業は巡査です。まず最初に犯罪に干渉するのは大部分が彼らですから、それも当然でしょう。
職務執行中の死亡率の高さを改善するためか、LSは去年から現場で働く社員全員に、生命徴候モニターを配布しました。これは、ドクワゴンと契約したときに貰う腕輪が心臓の近くに埋め込まれた物と思えばいいでしょう。
持ち主の生命徴候が統計的に意義ある低下を認めた際に警報を発する仕組みなっています。その有効性は誰もが認めるものの、一部の社員の間では不評で「4、6時中会社に監視されてたまるか」と言うのが装着を拒否する社員の感想です。
ストリート・パトロール課
まず、大きく分けて徒歩、バイク、車、の三種類のパトロールがいます。ま、警察機構の最前線、言い換えれば最も下っ端なのでどのパトロールにしても雑魚が多いですが、多いと言うだけです。中には左遷されたか強くパトロールへの復職を希望したか・・・とにかくクロームな奴もいます。
徒歩
まぁ、自分の足でパトロールする、文字通りな人々ですが、常にパトカーとの無線による接触は保っています。
バイク
一部で人気のハーレー・エレクトラグライドが支給されます。重火器などはほとんど搭載できませんが、沢山の細々とした警察用装備(手錠、ジャック塞ぎ用のダミーチップ、DNAスキャナーetc)が装備されています。
バイクパトロールの数は減っていますが(車が増えている)、ゴーギャング相手に今も需要があります。
車
クライスラー・ニッサンが支給されます。それ以前の正式車種のフォードやホンダ・GMに乗っている人もいます。
車には流石に沢山のスペースがあるので、実に様々な武器や装備が搭載されており、一概には言えませんが、モスバーグCMTD/SMは二丁のっかっている他、パーカーのサイレンとライトが付いてるあの車上の部分にはフラッシュ・パックが内蔵されていて、中から操作する事が出来ます。
おまけに、周囲には盗難防止用のショックパッドがみだりに手を触れる馬鹿者に電撃を喰らわそうとしていますし、リアシートにはフロントから操作できるテイザー・パッドが付いています。
また、コンピューターも一台セットされていて、本部とセルラーリンクで直結しており、とっても便利です。
LS社員はツーマンセルで車に乗り込みますが、決して職務遂行中にコンピューターにジャックインすることはありません。仕事の効率を落とし、危険を増すからです。
ちなみに、このコンピューターがくせ者でして、LSのグリッドにアクセスするなら、ここを通してするのが最も簡単です。しかし、1度でもLSのグリッド内でアラートを活性化してしまった場合、同じように簡単に侵入者の居場所は突き止められます。侵入者が車載カメラの視界内にいた場合(おや、カメラを搭載しているとは言ってなかったですか?それは失礼)には車に写真を撮られます。カメラの視界の外に逃れていた場合は安心です。コンピューターがその上空を監視している偵察ドローンを呼び出すだけですから。
エア・パトロール課
一人乗りのヘリにハーネスで止められたドローン。パイロットはリガー。事によると最も手強い相手は彼らかも知れません。おまけに、CAS軍から払い下げられたWandjina PRV(ミニガンその他を搭載したバリバリのハンタードローン)なんぞを投入してくれる事もあります。予算が許せばですが。
交通整理課
ま、交通整理をやるわけじゃなくて、主な仕事はスピード違反や駐車禁止やその他の違法行為の取り締まりです。地上ドローンやパーカー等がセットになって、カメラやスピードモニターを回しています。この時代、車にはナンバープレートの代わりにバーコードが付いているらしく(まぁ、認識番号みたいなモンでしょう)、それを読みとるスキャナーもありあり。
一般的なランでは強力なジャマーと削ぎ落としたバーコードが安全を保障してくれますが、それだと日常生活に不便です。市内を自由に動き回りたいのであれば、盗難車のでも死んだミスタ・ジョンソンのでも構わないから、バーコードを付けておくべきです。
ハイウェイパトロール
実際にはLSにはハイウェイパトロールという部門はありません。LSがパトロールしなくても、干渉を望まない地域(NANなど)では使えないように路面に穴を開けたりしてそれなりの対策を練っているからです。
しかし、シアトルなどのメトロプレックスに近いところでは、LSが検問を設けることはあります。ストリートパトロールがその任を負います。
ちなみに、この項目のシャドウトークは白眉。古き良きカウボーイ精神を力説するリガー(燃料を奪うのは殺すも同じでルール違反、とか)と真っ向から対立する若いにーちゃんの会話は実にぐっど。
そんな、人情を唱えたからって、精神異常扱いする必要はないぢゃん。
ショア/ウォーター・パトロール
LSの抱える問題点を浮き彫りにするような部門です。創設されたはいいけれど、任せられる人材がいない。急成長を遂げたLSには常にこの「装備を整える金をひねり出す経理係はいる。仕組みを整える管理職もいる。しかし、そのために訓練を受けた現場担当がいない」とゆー問題にさらされてきたと言っても過言ではないでしょう。
えー、まぁ、ジェットスキーなどそれなりの装備はありますが、社員の質が劣悪なため、有名無実に近い状態です。もし十分なデータが集まり、LSアカデミーに専門の養成コースでも出来れば別ですが、多くの人が見るに、LSはウォーターフロントのパトロールの契約金だけ貰っておいて、何もしないであろう、と。契約更新の際には都市もウォーターフロントをLSに任せるのはやめるだろうと思われています。
緊急部隊(FRT)
ファスト・レスポンス・チームです。戦術部のSWAT(後述)と紛らわしいですが、一応、定義としては、綿密な暴力が要求される状況-人質とか-にはSWATが、とにかくスピーディな暴力が要求される状況-暴動の渦中の警官救出とか-に対してはFRTが出勤することになっています。
似たような職場で働く複数の部門の常として、FRTとSWATは仲がひっじょーに悪いです。はい。
取り合えず、FRPが出張ってきたら、ランは失敗だと思って下さい。何せ、12人からのマッチョなクロームで構成された硬いチームです。
一人がスナイパー・ライフル、一人がショットガン、二人がアサルトライフル、8人がサブマシンガン、と全てのレンジをおさえた装備に全員が拳銃とショックバトン、ショックグローブにグレネードを標準装備です。4、5人は倒せるかも知れませんが、12人を相手にするとなると、大抵のチームは回復不能な痛手を被るでしょう。
------------------
LSNP:Lone-Star Sourcebook Neglectful Prospect(LSSのなげやりな眺望)では、ローンスター・ソースブック(以下、LSS)のいー加減な解析を行います。
---------------
今回はLSの治安維持部門の中の、戦術部について。
戦術部はそもそもがSWATとそれをサポートするチームを核に出来たもので、部内でのSWATの地位は不動のものがあります。
SWAT Special Weapon And Tactics(専門的な武器と戦術) team
FRTの所でも触れましたが、FRTと似たような状況で出勤することが多いので、両者は中が悪いです。
SWATの構成は16人。ライフル銃手が8人、コンバット・デッカーとコンバットメイジが1人ずつ、スナイパーが4人とスポッターが2人です。
デッカーはビルなどの配線を押さえるのに、メイジはアストラルを押さえるために配備されていますが、スナイパーが多いのは特徴的です。
FRPと同じくSWATが出張ってきたら、まぁ、負けと思っていいでしょう。
最後にもう一つ、FRPとSWATの違いとしてはSWATの方がチーム構成員が専門化されているという事が言えます。ライフルマンはライフルマンだし、スナイパーはスナイパーで役割がクロスオーヴァすることはありません。
それから、SWATの戦術は非常に高度な物ですが、高度すぎて教科書的な部分もあり、戦術行動に詳しい者であれば、適切な状況を作り出すことによって、それに対するSWATの反応を読むことが出来ます。
爆弾処理部
爆弾処理班の方がしっくり来ますね(笑)。実は、この部署は最近のLSの中では稼ぎ頭です。爆弾テロがとみに頻発する昨今、爆弾処理部は実にお呼びがかかることが多い。大部分は爆弾なんて嘘ですが。
彼らは実に優秀です。
大抵の爆弾は解体されますが、中には手を触れるよりも安全に爆発させた方が良いと判断される場合もあります。勿論、そのためにはくどいほど爆弾の構造を解析します。それが見かけ通りのプラスティック爆弾であって、決して戦術核では無いと断言できるまでは安全な爆破は選択されません。が、選択された場合には、特製のドローン(パラボラ状の装甲を持ち、装甲の中で爆破させるような)が使われたり、興味深いところでは、エレメンタルが使用されたりします。特に水のエレメンタルが良く使われるようです。
さて、爆弾処理部の最新の話題は、ファイアトラック・ネットと呼ばれる装置です。この装置はマイクロウェーヴ・レーダーとレーザートラッキング・スキャナで構成されたネットワークで、街灯やビルの屋上に設置されます。
このネットワークは担当範囲内を24時間、ありとあらゆるミサイルやロケットの発射を監視します。SDIのような大規模なICBMを監視する物ではなく、個人で持ち運ぶAVM等がその対象です。監視範囲内でミサイルが発射されると、即座にその正確な射出地点、軌跡、到達点が算出される仕組みで、このデータは裁判において証拠として有効だと認められます。
また、射出されたミサイルやロケットがダウンタウンの中核に向かうような場合に備えて、第2の機能が秘められています。そう、ミサイルを感知したファイアトラック・ネットはその空域を担当しているエア・エレメンタルに命令を下し、そのミサイルの軌道を変え、被害を食い止めるのです。
このテクノロジーはまだまだ高価なのでストリートに進出するには時間がかかるでしょうが、それだけの金額を払える企業には既にβバージョン位は支給されているかも知れません。
ちなみに、LSの本拠、オースチンではβバージョンが活躍しています。
---------------
む、長くなってきたので、ライオット・コントロールと、イレギュラーについては次の書き込みで。
LSNP:Lone-Star Sourcebook Neglectful Prospect(LSSのなげやりな眺望)では、ローンスター・ソースブック(以下、LSS)のいー加減な解析を行います。
---------------
今回もLSの治安維持部門の中の、戦術部について。
ライオット・コントロール
まぁ、暴動などの大規模な暴力を取り締まるのが役目ですが、普段は大規模な暴力の仕掛人になりえる人物の監視などを行っています。
彼らの出番の大部分はなんらかのデモ行進とか、コンサートとか、あまり犯罪と関係なさそうなものに対してです。そして、それ故にライオット・コントロール部門には事無かれ主義が蔓延しています。つまり、群衆を刺激して暴動に発展するよりは、何もしないで見ていた方がいい、と彼らは考えるのです。
そして、その考え方を徹底するために、ライオット・コントロール部隊の中で、盾を持って最前列に並ぶのは、LSアカデミーを卒業したばかりのぺーぺーか、どーでもいー窓際族(他の部門から左遷されたような奴)なのです。
LSでのキャリアを考えた場合には墓場のような部門といえるでしょう。
通信部 (ディスパッチ・オフィス)
いわゆる110番の電話を受け付ける係です。コンピューターでもいーじゃん、とか思いますが、熟練した通信係は通報者の口調や発言内容から多くの情報を引き出すことができる-勿論、最も重要な技術は、その110番の真偽を判定することですが-ので未だに人間がこのポストに就いています。優秀な通信係が当直の時には下手な狂言ではLSを振り回すことは出来ません。
通報を受け取り、それが本物だと判断されると、その緊急度・優先順位が判定され、それに応じてパトロールその他の部門に連絡が回りLSが動き出す、と言う、黒幕的な楽しみ方が出来る部門と言えるでしょう。
ちなみに、最近読んだ推理小説の犯人が警察の通信係でした。不審な人物がいて不安な人(一人暮しの女性とか)が通報してくるので、確かにいい線かもしれない(笑)。関係ないですけど。
非常勤部(イレギュラー・アセット)
戦術部が何かと頼りにするストリートの人種が賞金稼ぎです。賞金稼ぎについては解説の必要は無いと思います。LSは否定していますが、賞金稼ぎとの契約の際に「デッド・オア・アライブ」の条件が採用されることもあります。その場合、10回の内9回は提出されるのは死体です。
賞金稼ぎもピンキリです。トップクラスの奴はマジで切れますが、救いようのない奴も多い。オースチンから派遣されたジョー・ボブという名の賞金稼ぎの逸話を紹介すると、チャムリーというオークの逮捕を「デッド・オア・アライブ」で契約したジョーは、チャムリーの写真とプロファイルを持って仕事に出掛け、1週間後、二人のオークの死体をLSに提出しました。担当者が確認に行くと、なんと二人ともチャムリーではなかったそうです。ジョー曰く
「トロッグなんざ、皆、同じだろ。俺のクレッドは??」
ところで、賞金稼ぎとして生きていく上で知っておいた方がいいのは、どんな企業にも、内部抗争みたいなものは存在するというコトです。シカゴで何かやらかした犯罪者がシアトルに逃げたとします。シカゴからシアトルまでの交通費を支給するほどLSは無駄な会社ではありませんから、LSはシアトルの賞金稼ぎと契約を結ぶことになります。すると、シアトルの賞金稼ぎが仕事をする上で最大の障害となるのはシアトルのLSかもしれません。
---------------
LSNP:Lone-Star Sourcebook Neglectful Prospect(LSSのなげやりな眺望)では、ローンスター・ソースブック(以下、LSS)のいー加減な解析を行います。
---------------
今回からLSの治安維持部門の中の、刑事部について(やたら長いぞ)。
刑事部は昔ながらの警察の役割を引き継いでいますが、2050年代の犯罪、それも、LSが自分の利益のために手を出すような種類の企業絡みの犯罪の特徴はそのエスカレートしたヴァイオレンス、行き過ぎたテロリズムにあり、ハード・ボイルドな刑事達の出番はむしろ減少しています。
刑事部はLSの企業内抗争に破れ、今後、徐々に落ちぶれるであろう部署なのです。
殺人課
試合中の反則から魔法攻撃まで、あらゆる殺人に対してとりあえず関わります(魔法による殺人は常に第一級殺人として扱われます)。多くの場合、殺人の状況によって他の課と一緒にチームを作ります。例えば、殺されたのがBTLの売人だったら麻薬取締課や、ヴァイス(風俗取締?)と、なんていう風に。
そして、たいていの場合、このような混成チームは上手く働きません。
鑑識課
LSは各地に鑑識課のラボを設置しています。そして各地のラボで解析不可能だった物品についてはオースチンのラボに送られます。
オースチンのラボは世界でも最も進んだ鑑識のラボと言えるでしょう。世界では、他にワシントンのFBIのラボだけが世界で唯一いい勝負が出来るかも知れない。
現場鑑識係
現場に残った指紋とか、証拠品を集める課です。彼らのモットーは、「なんぴとたりともオイラの許可が無い限り、どこにも触っちゃなんねぇ」と「ノートを見ながら完全に現場が再現できなきゃなんねぇ」です。彼らのノートは日時や天候に始まり・・・・・・説明するのも億劫なほど細かいところまで書き留められます。
検死係
まぁ、検死をするところです。ここのシャドウトークには死体の経時的変化がまるで法医学の教科書のように書いてあります。死後硬直の具合とかを調べたいときにはここを読むといいでしょう(笑)。更に、射距離別の弾丸による傷の形状(銃を押しつけての射撃だと、星形の突入創が出来て、2cm以下だと円形の火傷を伴う、とか)書いてあり、この辺も実に演出上、参考になります。
剖検(死体解剖のことです)はなかなかいいお金になるので、検死課の人達はなるべく多くの死体を「殺人事件」扱いしたがります。
また、職務の性質上、殺人課の刑事達とは仲良しで、彼らのためにはかなり融通を利かせてくれます。
ヴァイス&モラリティ(風俗取締課?)
マイアミ・ヴァイスとゆーとかっこいいですが、LSのヴァイスは麻薬を扱わないので(勿論、捜査の途中で絡む可能性は他の課と同じようにあります)、麻薬王カルデロンを追いつめるのは別の部署の人(古いネタだ)。もっぱら売春とかレイプとかを扱うことになりまして、LSの中で力のない刑事部の中でも最も力のない課と言えます。
但し、扱う物が物だけに、最もストリートに通じているのは彼らでしょう。
ロバリー(窃盗取締課?)
強盗、窃盗などを対象に、盗まれた物を本来の持ち主に返すことが彼らの主な使命です。あんまり付け加えるべき事はありませんが、大抵の事件が何らかの窃盗の線で始まる事が多いので、必然的に捜査の初期にここの課員が出張っている事が多くなります。その結果として、最も刑事部の内情に通じているのが彼らです。彼らをコンタクトに加えることが出来たならば、その投資に見合う見返りが期待できるでしょう。
特殊調査課
どっちかっつーと、マイアミ・ヴァイスのヴァイスはこっちに近いですね。囮調査を行う課です。身分を隠し、犯罪者の中に侵入、調査して、いざ大きな取引とか言うときに情報を流して逮捕(せん滅)に結びつける、と言う聞くからに過酷な部署。囮調査の他にも、企業や金持ちとのワンスポット契約(ランナーを雇う要領でLSを雇うと言う感じ・・・合法的な目的でね)を引き受ける部署でもあります。
人材は、刑事部の中の他の課から引っ張ってきます。ワンスポット契約の場合、適任者がいない場合には、(なんと)契約を断り、依頼主には他の警備会社を当たって貰う事になります。
監視調査課
イマイチな訳語ですが、監視・尾行の専門家たちです。彼らはLSのアカデミーで20週間近く、尾行法、盗聴器や発信器などのTPOにあわせた選択と使用法、等を叩き込まれた精鋭です。映画で見たことがある方法で彼らをまこうとしても無駄でしょう。あなたに思いつく全てのトリックをもってしても、期待できるのは、せいぜいが監視用に改造されたヴァンの中に設置されたモニターを眺めている責任者をニヤリとさせる程度でしょう。彼らはそのくらい腕利きなのです。
リモート監視係
LSの尾行をまくのが更に厄介になっている理由が彼らです。言うまでもないことですが、この部門はリガーが仕切ってます。
組織犯罪課
2030年代から40年代前半、エスカレートする暴力に対抗する専門家を要求する市民の声が高まると、CEOのジェームズ・ウィルソンは何らかの形でそれに答えなければなりませんでした。(2044年までは組織犯罪に対しても、その他の犯罪と同じように殺人課や鑑識課やその他の課が合同で捜査を行っていました)
さて、全く新しい部署を作るのは金が掛かりすぎていけないということで、刑事部の他の課等から適当な人材を引き抜いて(あるいは、緊急時だけ「特殊調査員」扱いで人を借りるとか)、組織犯罪課を結成することになりました。
鳴り物入りで登場したのは事実ですが、まだ結成以来10年も迎えていないこの課は、残念ながら人材、装備、設備、全ての面で不足しており満足な活動がなかなか行えない状態です。
---------------
LSNP:Lone-Star Sourcebook Neglectful Prospect(LSSのなげやりな眺望)では、ローンスター・ソースブック(以下、LSS)のいー加減な解析を行います。
---------------
今回はシャドウランの一方の主役、パラノーマル調査部(DPI)について。
パラノーマル調査部(Department of Paranormal Investigation)
DPI(ディー・ピー・アイ)と略されるのが正式ですが、ストリートでは呼びやすいようにDIP(ディップ)と呼ばれたりするこの部署は、ヒラリー・アセンビーとその副官のフレイザー・シミントンが仕切るLS内の一大帝国です。部署の規模は戦術部の十分の一以下でありながら、年間予算はほぼ戦術部に匹敵します。
ディップは、魔法やアイテムに関するライセンスや、シルバー・ドーン(銀色の暁)と呼ばれる魔法警備コンサルト会社等の独自の財源を持ち、その莫大な運営費用を補って余りある収益を上げています。
普段のLSのパトロールでメイジの姿を見掛けることはありません。しかし、一度魔法に関するトラブルが起こった時のLSのアストラル・バックアップは極めて迅速です。
ディップの優秀さは世界で1、2を争い、ここに匹敵できるのは世界中でもアズテクの魔法警備部門のみでしょう。ディップの調査員達は一人一人が、完全武装のSWATや全権委任された現場責任者の刑事と同程度の権力を持ちます。
免許交付
魔法警備に関してLSと契約を結んだ都市では、しばしば気付かぬ内に魔法に関する新しい法律と罰則が定められます。その最たるものが魔法に関するライセンスでしょう。
ディップの主要な業務の一つに魔法に関する免許の交付があります。この免許は二つの側面を持ちます。
一つは、魔法使いの人間に対する免許。エクストラテリトライアリティを持つ企業に関しては関係ありませんが、そうでない企業で働けるのは免許を持った公認魔法使いだけです。免許交付には25,000n\かかります。
無免許の魔法使いは、法的にその行動が大きく制限されます。自衛と表現の自由と健康と美容の増進、が無免許の魔法使いに許されている呪文のカテゴリーです。
二つ目は魔法のアイテムに関する免許。実は、魔法のアイテムはディップにとって最も手っ取り早い財源です。ストリートに出回っているアイテムの中にもかなりの割合でLS由来の物があるはずです。
アイテムはそれ自体の金額の他に、認可料金としてフォース当たり2,000n\かかります。
犯罪捜査の過程でディップが見つけたアイテムは全て本来の所有者に返却されますが、その前に、そのアイテムに認可が下りているかどうかのチェックが入ります。
つまり、大部分はディップに没収されます。ディップのアイテム保管所は宝の山と言えるでしょう。
アストラル・セキュリティ
普段は誰もアストラルをパトロールするような事はしません。凶悪な犯罪者にウォッチャーがついて回る程度です。しかし、前述したように、緊急事態(パトロール・オフィサーからの99番コールなど)にはいつでもアストラルからアクセスできるように、一日中寝て過ごしているメイジがいて、対応は極めて迅速です。
また、前述のように彼らは極めて強力で、なおかつ精霊軍団を引き連れています。
パラノーマル・アニマル・コントロール
この部門はディップの中で最も市民のために貢献している部門といえるでしょう。パラノーマル・アニマルによる被害が出た場合には、その捕獲(不可能な場合には射殺)を行い、その行動経路を徹底的に調査します。何故なら、その生物の巣が近くにある場合には、一体を捕獲しても再び被害が出るであろうからです。
常に新種に出会うこの部門は、学術的に貴重で、市民のために貢献しつつも莫大な収益を上げています。
マジカルリサーチ
LSと契約している各都市に、レベル10前後の魔術ライブラリとレベル7以下の精霊ライブラリが存在します。
精霊と犯罪
一般的に、精霊の犯罪はその召喚者の犯罪として扱われます。
余談ですが、最近では、UCASの最高裁判所の魔法部門の評議員にベリンと言う名の自由精霊が加わり、精霊の人権を解いています。つまり、精霊は犯罪に関する参考人として、証人として、時には共犯者として認められるべきだ、と。
更に余談ですが、ベリンはエイブ・リンカーン大統領の姿でマニフェストします。
(Written by JUN / HTMLized by Jun MUTO)
[Back]