『シャドウランがよくわかる本』ヘンなとこ

(「シャドウランがよくわかる本」(村川忍/グループSNE著・富士見書房刊) 問題点指摘・訂正)

しかし、この本のマトリクスの解説部分を読むより、ルールを読んだほうがはるかにわかりやすいな。

さて。P.333 以降の、どこを読めば何が載ってる、という解説はなかなかいいと思う。この本の中で一番有益な部分だと思う。
しかし、全体を通して、「シャドウランの『東京では』」と、やたら「東京(つまり日本)」を強調してあるのが目についた。そのくせシャーマン(ストリート・シャーマン)を最初の魔法系アーキタイプとして薦めている。シャーマンが、ネイティブ・アメリカンそのままのトーテム観を持って日本に居るのってすごくおかしいと思う。

シャーマンを薦めるのであれば、まず日本なりの魔法体系を紹介するべきではないだろうか。ロンドン・ソースブックでも、ジャーマニー・ソースブックでもそうだった。シナリオのアイディアとして、「部族からの依頼」というのまで出している。コンタクトを説明するところでも、トライバル・チーフのところに、「シャーマンやトライブズマンなど、部族出身のランナーなら選んでおこう」とある。舞台に東京を設定しておいて、これはないだろう。

日本関係のソースブックが出て、日本におけるシャーマニックな魔法の流派のありかたがはっきりするまでは、日本でシャーマンというのはとても不自然だと思うし、日本での解説がないままシャーマンを薦めるのであれば、舞台はアメリカを選ぶほうがいいんでないかな。そういえばドラゴン・マガジンのリプレイでもPCにシャーマンがいるな。

(by PANIC, 1994 / by Jun Muto, 1996,1999,2001)

補注:不意討ちについて

 サムライはフェイズ18を未行動ですませているのでフェイズ11の女の子の攻撃には反撃可能です。

と主張される方がいたので、見落としやすいところですし、ルールの説明をしておきます。

(日本語版p.87,不意討ち より)

不意討ちは、ゲーム的にはキャラクターごとに起こります。

(日本語版p.87,不意討ち の続き)

・自分の成功数が相手のキャラクターの成功数以下なら、そのキャラクターに対して直接影響を及ぼしたり、妨害したり、反撃したりする行動は取れません。

(日本語版p.88,不意討ち の続き)

敵側のどのキャラクターの成功数も上回ることができなかった場合は、二重に影響を受けてしまいます。この場合、完全に不意を討たれたことになり、簡易動作も含めて一切行動できなくなってしまうのです。もっとも、自分の戦闘フェイズから10戦闘フェイズ後には、普通に行動することができます。

1対1の状況で不意討ち判定に負けた(敵側のどのキャラクターの成功数も上回ることができなかった)のですから、自分の戦闘フェイズであるフェイズ18から10戦闘フェイズの間は一切行動ができません。女の子の攻撃が行われたフェイズ11は、まだフェイズ8(10フェイズ後)ではありませんので簡易動作すら行なえるはずが無く、反撃するのは明白なルール違反です。

補注:精霊の敏捷力

ここもルールブックにちゃんと書いてあるのに、「そんなことはルールブックに載っていなかった」と主張する方が多く、非常に間違いが多いところなので説明しておきます。

シャドウラン日本語版ルールブック250ページ「クリッターの能力値」-「表の略号について」の「敏」の項目に能力値のデータ表記の読み方の説明があります。

(日本語版p.250,表の略号について より)

敏:敏捷力。最初の数値がレーティング、2番目の数値が走るときの修正値です。

つまり、ウォーター・スピリット(水の元素精霊)の敏捷力の表記「F×2」は、レーティングがF(フォースの値)で、走る時の移動可能距離を求める倍数が2ということです。
同様に、空気の元素精霊(エア・スピリット)であれば「(F+3)×4」なので、レーティングがF+3、走る時の倍数が4となります。
他の精霊やクリッターも同じです。

ルールブックの「召喚」についての説明部分(日本語版pp.141-146)でも、精霊の能力の詳しい説明はクリッターの章にあると繰り返し書かれているわけですから、精霊を扱うのであればクリッターの章までちゃんと読んでおいてほしいところです。


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