今回はSRの背景世界の立役者「メガコーポ」とそれに対する「ネオ・アナーキズ ム」の紹介です。ともに紹介の基本となる文章は過去のSR会議室におけるGenich! さんによるもので、それに若干の書き加えをしました。 -------Corporate Shadowfiles レポート---------------------------------- >>>>>[ちょっと待った。カルテックはどうだ。MITは。大学はメガコーポじゃな いが、すげえ仕事をやってるぜ]<<<<< --Palestar (18:12:33/03-14-54) >>>>>[MITに"&M"をつけろよ]<<<<< --Eraser (22:27:04/03-14-54) >>>>>[あまり意味のない訂正だな。この際どちらでも変わりはない。地球上に、 メガコーポの支配下にない研究機関は、いや、研究機関だけじゃないな。メガ コーポの支配下になくて何か価値を生み出せるものは、存在しない]<<<<< --EMP Drake (06:15:33/03-15-54) >>>>>[ひとつも?]<<<<< --Safe Citizen (11:59:42/03-15-54) >>>>>[ひとつも]<<<<< --EMP Drake (17:23:09/03-15-54) 今 Corporate Shadowfiles を読んでいるところです。さすが Nigel Findley というべきか、かなり力の入ったなかなかのできに仕上がっているサプリメント です。 この Corporate Shadowfiles は、メガコーポレーションについて解説するサ プリメントです。 といっても、ミツハマの社員がどうこうとかアズテクの社則がどうこうとか、 そういう個々のメガコーポについての詳細な情報が載っているわけではありませ ん。 この Corporate Shadowfiles で語られるのは、メガコーポという巨大な生き 物の性質と行動についてです。 Corporate Shadowfiles は、Neo Anarchist's Guide... 同様、Shadowland BBS からのデータ、という形式を取っています。ですから、Neo Anarchist 達の落書 きがそこかしこに挿入されています。 まず、Corporate Primer として、メガコーポの基礎が説明されます。最初は、 歴史的な会社法人の成り立ちに始まり、コングロマリットや多国籍企業、そして メガコーポの定義が概説されます。それに続くのは Extraterritoriality (むー えれー母音が多くて読みにくいな) -- 企業敷地内での治外法権についての説明。 有名なシアワセ判決の舞台裏も語られます。んで、この章は、会社組織の構成が 語られて結ばれます。 続く Doing Business の章では、もっと実際的な、すなわちメガコーポがいか にして金を稼ぐかが述べられます。マーケティング、自由競争と寡占、資金調達、 それに納税についての説明です。 そしてその次に、Competition、メガコーポ同士の争いがやってきます。市場 シェア競争に始まり、合併、乗っ取り、そして企業間戦争と、説明もどんどんエ スカレートしていきます。 次に来る Zurich-Orbital Habitat の章では、一転して、メガコーポ同士の協 議の場とも言える、静止軌道上に浮かぶコロニーについて説明されます。この、 Zurich-Orbital Habitat には、各企業の代表によって構成される Corporate Court と、その役員によって運営される Gemeinschaft Bank が置かれており、まさに メガコーポ社会の中心となっています。一般に、メガコーポ間のトラブルは、何 人かのランナーと一般市民の命が落とされた後、この Zurich-Orbital Habitat において収拾されます。 そして最後が、Rating Corps、メガコーポをレーティング付けして、それぞれ の経営状態をシミュレートするルールです。まあ一応メガコーポ間の戦争とかも できるようだ。この後に、ビッグ8と呼ばれる有名メガコーポのレーティングお よびプロファイルが付いています。 全体のトーンとして、すげえ冷酷です。実は俺もお前もメガコーポの手の平の 上で踊ってるだけなんだぜ、て感じで。Neo Anarchist 達の落書きがまたそれを 深めています。いかにも、こう、希望の見えないダークフューチャー、という感 じがして、いいです。 >>>>>[ぱちぱち]<<<<< --Hot Horn (08:12:21/3-27-54) >>>>>[おい、にいさん。ここは Shadowland なんだ。経済学の講義はよそでやっ てくれよ。俺はそんな話聞きたくねえ]<<<<< --Spine (10:11:53/3-28-54) >>>>>[聞きたくない、か。なるほど、悪くないアイデアだ。たしかに、多くのラ ンナー達は、メガコーポや経済の話になると、ダチョウのように砂に頭をつっこ む傾向があるようだ。 しかし、一つだけ言っておこう。ダチョウってのは、絶滅しちまったんだぜ]<<<<< --EMP Drake (02:44:34/4-03-54) >>>>>[レンラク・アーコロジーに一歩足を踏みいれてみな。その瞬間からあんた はもうUCASにはいねえ。あんたが立ってるのは“レンラク・ランド”だ。UCASの 法律は関係無くなっちまう。問題なのは、レンラクの法律だけよ]<<<<< --Zingo (12:31:42/4-10-54) -------治外法権-------------------------------------------------------- Corporate Shadowfiles からの解析です。 ご存じのとおり Shadowrun の世界では、2001年のシアワセ判決によって、多 国籍企業に治外法権が認められています。 Corporate Shadowfile では、このメガコーポの治外法権についてより詳細に 説明しています。 治外法権は、メガコーポが経済活動を行っている場所について適用されます。 当初は、メガコーポがその土地を所有していることが条件とされていましたが、 「外国大使館だってビルを間借りしてるケースもあるじゃないか」というメガコ ーポ側の主張が通り、2006年、借地やビルの1フロアなどのケースでも治外法権 が適用されるという判断が下されました。 UCAS, 日本、NANの多く、それに多くの発展途上国では、メガコーポの治外法 権が "Continuous and contiguous, and long-term" なコーポレートの敷地にお いて適用されると規定しています。 "Continuous and contiguous" とは、「周囲から明確に区別できる一続きの場 所」と解釈されています。ビルの1フロアをまるまる借り切ってオフィスにして しまえば、そこも治外法権の対象となります。 "Long-term"とは、そのオフィスが法的に有効な長期間に渡る賃貸契約を結ん でいることを示します。契約はコーポレートとして行われねばなりません。 メガコーポの敷地内は、たとえその敷地がシアトル内にあっても、UCASの法律 は適用されません。適用されるのは、メガコーポの社則です。 たとえば、UCAS は憲法で、労働者に労働組合を結成する権利を与えています。 が、Ares Macrotech のように労働組合を認めていないメガコーポの敷地内では、 労働者は UCAS の憲法による保護を受けることができません。 同様に、UCAS は法律によって、致死性武器による武装を厳しく規制していま す。しかしこの法律は、シアトルのストリートでは適用されますが、メガコーポ の敷地内にはやはり適用されません。 ローンスターによる犯罪捜査も、メガコーポの治外法権の壁によって阻まれる ことが多くなります。ローンスターはメガコーポに、容疑者引渡しを要請するこ とはできます。しかしメガコーポ敷地内を捜索する権限は持ちません。 しかし、犯人引渡を要求するのが国家や自治体政府でなく他のメガコーポだっ た場合、話は違ってきます。この場合は、その件は Zurich-Orbital Habitat の Corporate Court に持ち込まれます。 治外法権は、地下は地球の中心まで、地上は高度1200mまでの範囲に渡って適 用されます。高さ1200mを超えるアーコロジーが建てられれば、また連邦最高裁 の判断を仰ぐことになりましょう。 この範囲を超えて大気汚染物質が治外法権地域内から外部に漏れだした場合な どは、外部の政府/自治体は、このメガコーポの責任を追求することが可能です。 >>>>>[思うんだが、長い目で見て、1999年の Seretech 暴動のとき、疫病がニュ ーヨークに溢れだした方が良かったんじゃないかねえ。 少なくとも、メガコーポに治外法権を与えるよりゃあ]<<<<< --Bromley (17:17:39/3-21-54) >>>>>[へ、全くその通りだぜ。どうせ2005年にゃあ、例のニューヨーク大 地震で20万人からが死んじまうんだからな]<<<<< --East Devil(18:00:30/3-26-54) --------企業のルーツ---------------------------------------------------- Ares Macrotechnology は、2016年に Nicholas Aurelius なる人物が NASA を 買収して設立した会社です。だからいまでも Aerospace 分野に絶対的な力を誇 っています。 ところが2033年、悪名高い Nanosecond Buyout 事件によって Damien Knight が Ares 社の株式の22%を取得、乗っ取りに成功します。このナノセコンドの間 に何が起こったかは未だにはっきりしていませんが、ストックホルムの Damien のエキスパートシステムからの売買によって、3つの会社が消滅し、2人の億万 長者が破産したと言われています。 しかし2049年、Nicholas の息子 Leonard Aurelius が株主の委任状を集め、 実質22.1%を握って取締役に返り咲きます。こうして、Knight社長、Aurelius会 長という、現在の双頭体勢ができあがったわけです。この二人は相当仲が悪そう ではありますが、それでも経営が傾かないところはさすがメガコーポ。 Mitsuhama Computer Technology (MCT) は、何年設立かよくわかりませんが、 経営の神様と言われた Taiga Mitsuhama 翁によって興された会社です。現在で はその息子 Toshiro Mitsuhama が社長兼CEOの椅子に座っています。 しかし実際のところ、ミツハマ親子がMCT内部に持つ影響力は微々たるもので す。彼らミツハマ家は全株式の2%を所有しているに過ぎません。実際にMCTを動 かしているのは、Akae Uehara, Oguramaro Saigusa, Yuriyasu Shin, それに会 長職を務める Sasmba Oi の4人です。 この4人は、実はヤクザの Oyabun です。Taiga 翁が MCT を興したとき、実は これら4つのファミリーから金を借りており、またマネーロンダリングに利用し ていたのです。おそらくは、それが元で付け込まれ、実質上会社を乗っ取られた 形になったのでしょう。 Shiawase Corporation は、これも設立年はわかりませんが、大阪のシアワセ 家による家族経営のメガコーポです。社長が Tadashi Shiawase、会長が Sadato Shiawase、他に10%以上の株主として名を連ねるのが Soko Shiawase と Ryoi Shiawase です。Tadashi が Sadato の息子、Soko が妹、Ryoi が Tadashi の叔 父だそうです。 と聞くと仲睦まじい家族のようですが、実はドロドロの一家らしく、Sadato/ Soko 兄妹はお互いの誕生日にアサシンを送るほど険悪な仲。しかも息子 Tadashi は父を裏切り Soko についているとか。しかし最強なのは Ryoi でしょう。彼は 実はすでに死んでいるが、他の三人が死を認めないため法律上は生きたままにな っているそうで。Jerri Howard という霊媒があの世から Ryoi の意思を伝える と言うから並じゃありません。 Saeder-Krupp は、今でこそグレートドラゴン Lofwyr に動かされていますが、 現在の姿を作ったのは元BMWの若き経営者 Michel Beloit です。 彼はヨーロッパの動乱を逸早く予感し、卓越したマーケティングで2010年まで にBMWをヨーロッパ随一のインダストリアルパワーへとのし上げました。やがて 自動車市場の大きさに見切りを付けた彼は、Saeder Munitions 社と Krupp Manu- facturing 社を手に入れ、Saeder-Krupp 社を設立、BMWをその子会社として、今 日あるメガコーポを築いたのです。 2032年に Beloit が死ぬと、その妻 Wilhelmina Graff-Beloit が後を継ぎま す。彼女は取締役会を押さえ莫大な富を持っていましたが、S-K の株式の過半数 までは所有していませんでした。まさか誰も S-K を乗っ取るやつなどいないと 思っていたのです。ところが実は、数年間に渡って Lofwyr が密かに S-K 株の 買い付けに走っていたことを彼女は知りませんでした。 2037年、Lofwyr は、S-K の株式の63%を取得したことを公表。直ちに株主総会 を招集させて自分を取締役会の会長に任命してしまいます。そして Wilhelmina を社長から解任し、Zurich-Orbital に追放。ついでに自分を新社長にも任命し て、今の地位についたというわけです。 ------------------------------------------------------------------------ かくのごとくメガコーポには治外法権を始め、様々な特権が与えられています。 ただ、世界の経済の多くをおさえているとはいえ、メガコーポ以外にも企業は存 在します。彼らも独自の警備員を雇用していますが、そうした企業の警備員は 「ローカルの法律」に従わされます。(すなわちアメリカでいえば連邦法だけで なく、州法の下にもおかれるわけです。)そこで、これらの一般企業や個人など は「法律で武装などを認められた」存在である警備会社に警備を頼む事がSR世 界では一般的です。 さらには地方自治体までもがこうした警備会社に「警察業務」をいたくしていま す。 その実例がシアトルであればLone Starです。なおNYPD(ニューヨーク市警察) などもシャドウランの世界では民営警備会社となっています。イメージ的には映 画「ロボコップ」のデトロイト警察を思い浮かべていただければよろしいかと。 そのデトロイト警察の場合、親会社はほとんどメガコーポと化しているオムニ社 でしたが、これに相当する警備会社としてSR世界ではナイト・エラントがあり ます。ナイト・エラントの親会社が上の「ルーツ」でも紹介されていますAres Macrotech(アレス重工)です。 ナイト・エラントってそのまま直訳すると「漂白騎士団」ですが、たぶんこれは 「ナイト氏の漂白社」としたほうが正しいでしょう。クリニーニング(企業に対 する厄介の排除。たいていは銃器で解決します)をより真っ白にと考えるとすご みが出るというものでしょう。 なお、メガコーポ主要8社のうち5社までが日系企業(レンラク、ミツハマ、フ チ、シアワセ、ヤマテツ)であるのは、SR初版の発売当時(1989年)の日 本経済がアメリカからどう見えたかを示しています。いやまあ、今は昔ですか。 で、こうしたメガコーポの支配体制に反抗する”闘士”たちの主張が次のネオ・ アナーキズムです。 -------ネオ・アナーキズム----------------------------------------------- Shadowrun の根底にはいくつもの思想が流れています。 例えば、メタヒューマンに対する差別と公民権運動の対決。NAN のような先住 民と白人との対立。などなど。ただしこれらはどっちかと言うと日本人にもわか りやすい。 ところが、ちと理解しにくいものに、ネオ・アナーキズムと呼ばれる思想があ ります。新無政府主義? 単なるテロリストと思われそうですが、そうではない。 シャドウランナー達の中にも、この思想に心酔しているものは数多くいます。 今回は、このネオ・アナーキズムについて、解説しましょう。 ==== Neo Anarchism -- ネオ・アナーキズムとは、「人類をあらゆる社会的強制か ら解放しよう」という思想です。 この思想は、単に「面倒なことを言われるのはごめんだ」という自分勝手な思 想ではなく、経済学的な裏付けを持っています。すなわち、「あらゆる強制は、 市場の自由競争を阻害し、社会福利の最大化を妨げる」というものです。 ネオ・アナーキズムは、アダム・スミスの古典的自由経済学、あるいはハイエ ク、フリードマンと言ったシカゴ学派の経済学に一面で似ています。ネオ・アナ ーキズムが社会福利の最大化を実現するために最も重要と考えるのは、国家によ る社会福祉ではなく、完全な自由競争市場です。 例えば、AさんとBさんの二人の人物がいたとしましょう。で、Aさんはαとい う商品を100個持っていた。一方Bさんはβという商品を100個持っていた。しか し一般には、同じ商品ばかりたくさん持っているより、多種の商品をたくさん持 っている方がハッピーになれます。例えば、米ばっかり持っていたり、魚ばっか り持っていても、それだけ食べつづけるというのはちょっとハッピーでない。そ れより、半分ぐらいづつを交換して、どっちとも米と魚を食べられる、というの が両方にとってずっとハッピー。 このように自由市場では、買い手と売り手がそれぞれ自分の利益を最大にしよ うと努力することで、両方が利益を最大にできます。これ以上誰かの利益を上げ ようとしたら代わりに別な誰かの利益を下げなければならない、という状態を、 「パレート最適」と呼びます(パレートというのは19世紀イタリアの経済学者で す)。 しかし、自由市場においてパレート最適が達成されるためには、「売買におい て強制が行われないこと」という条件がつきます。あくまでも売買は、お互いの 自由意志で行われねばなりません。何等かの強制が行われれば、パレート最適は 崩れてしまうのです。 さて、強制のない自由市場が達成されるためには、以下の四つの条件が必要で す。 1. 買い手/売り手ともに十分多数存在していること 2. 商品がみな同じ品質を保持していること 3. 売り手にも、参入および撤退の自由が与えられること 4. 売り手/買い手には商品や価格についての完全な情報が与えられること ネオ・アナーキズムが古典経済学と一線を画しているのはここからです。 フリードマンらはいわゆる大企業性悪説を「ヒステリー」として一蹴しますが、 ネオ・アナーキスト達は大企業によって自由市場が歪められている現実を率直に 認めます。国家政府が力を失った今、人類に対して巨大な強制力を持っているの は、メガコーポに他なりません。彼らは、売り手を寡占化し、競争相手の参入を 様々な手段で妨害し、さらに必要な情報を隠匿して市場操作を行っています。 そう、ネオ・アナーキスト達の敵はメガコーポです。彼らは、メガコーポによ る市場支配を打ち砕くべく、日夜活動を続けているのです。 と言っても、ネオ・アナーキスト達は、20世紀の共産ゲリラ達がやったような 無差別爆弾テロなどは行いません。彼らの武器は、情報です。 ネオ・アナーキスト達の戦いは、メガコーポの隠匿している情報を盗みだし、 一般に公開する、という形で行われます。メガコーポの嘘と腐敗を白日の下に引 きずり出し、メガコーポ支配を素直に受け入れている大衆達の目を醒ましてやる のです。 そうして大衆がこの欺瞞に満ちた世界の真の姿に気付いたとき、彼らの待ち望 むネオ・アナーキスト・パラダイスがやってくるでしょう。 ==== というとまるでネオ・アナーキスト達が正義の戦士のように聞こえますが、よ くよく彼らの言い分を聞いてみると、検討すべき穴がいくつもあります。 例えば、自由市場における景気循環をどうするのか。もともとケインズ学派と いうのは、古典経済学が恐慌に対して無力であった反省から生まれたものです。 最近では「ケインズもだめだー」とかいうことになっていますが、レーガノミッ クスも結局ああだったしねえ。2054年では政府が力を失っている代わり、それに 匹敵する大企業が市場をコントロールすることで、恐慌が来るのを防いでいる、 と考えられます。このコントロール機構を外して単なる自由市場にしてしまえば、 結局20世紀初めと同じような周期的な恐慌の到来を防げないでしょう。 そういうわけで、ネオ・アナーキズムが必ずしも社会全体のために正しいかど うかはよくわからなくて、どっちかというと自己満足な正義の味方、という気も しなくもありませんが、しかしそれでも えれーかっこええ思想 ではあります。いいよねえ。巨大なメガコーポを敵に回して、個人の力で戦うん だぜ。しかも大衆を「啓蒙する」と来たもんだ。「ネオ・アナーキストである」 という自分のスタイルに心酔しているシャドウランナーとか、凄くいいよなあ。 うんうん。 ------------------------------------------------------------------------ ネオ・アナーキズムですが、これに類した思想というのはアメリカのカウンター ・カルチャーの系譜の中で見つけることが出来ます。パソコン誕生にも結構こう した思想は生きていまして、「企業の支配の道具であるコンピューターを民衆の 手に!!」という主張がパソコンの創生期にはありました。SR世界でデッカー が企業のコンピューターに侵入するのは「企業の囲い込んだ情報を人々の手に還 元する」というこうした系譜をひく大義があるわけです。ま、もっとも往々にし て実際は新円目当てですが(笑) 映画「JM」も出来に対しては色々な評価があると思いますが、「情報を公開す ることに命をかける」というノリはまさにネオ・アナーキストのものです。そう 思ってあの映画をみると面白いかも。